専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

時が止まった家 -ダンナの実家ー

 みんさん、こんばんわ。
 ダンナの実家から帰ってきました。

 お盆にダンナの実家へ帰って思うこと、それは時が止まってしまったような感覚。
私が若いころ、あの家も(お盆の期間は)活気がありました。

 あの頃は、義祖父母も元気でしたし(二人ともとっても長生き)、義父の兄弟たちがみんなそれそれの家族を連れて里帰りしていたので(ご両親が健在なので)、多い時には家族以外20人くらいの人数がお盆の期間寝泊まりしてました。夜なんかみんなで花火大会なんかしてそれは賑やかでした。

 今では、家にやってくるのはうち以外、ダンナの妹さんご一家だけ。うちも長男はついてこないし(いつも一人で遊びに行っている)、今年はたまたま長女が一緒についてきたけど(うまく休みが取れた)、ここんとこ私たち夫婦と子供たちの4人だけ。周りに何にもないところだから、子供らは直ぐ退屈して帰りたがるしー。

 この家は、一番賑やかだった時期が過ぎた去った1990年代中頃(義祖父母が続けて亡くなった)から、何も変わっていない。もちろん家は古くなって、義父母も年を取り、家の周りにもポツポツと新しい家が建ちました。少しづつ周囲の風景も変わってきましたが、やはり思うのは時の流れから取り残された家。
 
 それは、だだっ広いだけの家に義父母が二人きりで、十年一日のごとく住んでいるから? 私たちの家も、子供たちが出て行って私たち夫婦二人だけになると、そんな風に感じられるのでしょうか?

 私の実家も老夫婦(父母)が二人で住んでるけど、家自体がダンナの実家に比べるとかなり狭いし(狭い中、ちょこちょこ母が動き回ってる)、新興住宅地にあるので、そんなに時が止まってしまったような気分になったことはなかった。まあ、私は母と話すと一か月くらい気分が滅入るので、父が病気になるまでは10年以上実家に近寄らなかったけどー。
 
 久しぶりに実家に帰った時も、父の病気のことがあったのでー、おかしな感傷にふける時間もなかったし、母に振り回されっぱなしだったから。
 
 ダンナの実家で真夜中、ふと目が覚ますと、暗闇の中から、もうはるか昔に止まってしまった柱時計の「コツ、コツ」と時を刻む音が聞こえたような気がした。義祖父母が使っていた部屋に大正時代の振り子式柱時計が掛かっており、義祖父が健在のころはゼンマイのねじを巻いて時計を動かしていた。

 私たちが寝ているのが座敷で、廊下を挟んで義祖父母が使っていた部屋がある。「えっ、うそー? ホントに聞こえてくる」クーラーの音に交じって、確かにコツコツと時を刻む音が。「空耳じゃあない!」なんで動いてるのよあの時計。急にクーラーの音が聞こえなくなり、静寂の中、耳の奥底までとどくようにコツコツとー。

 いきなりボーン、ボーンと時間を告げる音が鳴り響いた。それは耳の奥底を通り越して私の心臓を震え上がらせた。「やっぱり、動いてる」。私、たまらなくなって横に寝てるダンナに「ねえ、起きて、起きて」とー。寝ぼけ眼のダンナが事情を説明してくれました。

 昼間、子供らが柱時計のゼンマイを巻くジグを見つけて、ダンナに巻き方を教えてもらって(ダンナは子供の頃、柱時計のゼンマイを巻いていた)巻いたそうです。だから、柱時計が動いているとー。「なーんだ、そうだったのか」私、それを聞いて安心して眠りました。

 で、次の日の朝、子供らにその話したら「そんなこと、してないよ」と。私「???、えっ、どういうこと?」。ダンナ笑いながら「完全にほどけていないゼンマイが温度とか湿気の変化で突然ほどけて、時計が動き出すことがある」と。
 
 でも「コツ、コツ」と云う音は振り子が左右に振れるときの音で、振り子はゼンマイの力で動き始めるのではなく、最初誰かが手で振らないと動きださないのではー?(一旦、振り始めるとゼンマイがほどけるまで振り続ける仕組み)。

 ダンナ笑いながら「じゃあ、祖父さん(義祖父)が振り子を振りに来たのかも―」と。それを聞いて私「!!!」。結局、子供たちが嘘ついてて、ゼンマイを巻いたのも、振り子をスタートさせたのも子供たちだった。長女が子供らとダンナが時計をいじっているのを目撃してて、バレたのでした。

 帰る時、柱時計をみたら時計の針も振り子も止まっていました。これが本当の時(計)が止まった家? なーてね。・・・おそまつでした。