専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

不思議な少女(6)

 みなさん、こんにちは。 前回からの続きです。例によって気持ちのわるい話です。苦手な方はスルーしてくださいね。         

 

 マンションでのお祓いの当日。たまに人が飛び〇りる高層階の通路から手前側の線路にむかって、自治会長さんのお友達―父住職―にお経をあげていただくことに。果たして「防空頭巾の女子学生さん?」は、彼女の婚約者さんの遺髪をはりつけた「ひとがた」さんと手を取り合って、やすらぎの国にいけるのでしょうか?

 

 それとも、妹の不安が的中―全く違う展開になるのでしょうか・・・?

 

 時刻は夕刻(逢魔が時)、妹は自治会のメンバーさん数人とお祓いがおこなわれる高層階へあがりました。お経が読まれるのは長い通路の真ん中あたり、「女子学生さん」が立っていた屋上の真下です。そこからお経をあげて「ひとがた」を線路に向かって飛ばし、もう一度お経をあげていただくという段取りです。大体15~20分くらい・・・

 

 エレベーターの扉が開くと、既に数人―自治会のメンバーさんが通路の真ん中あたりに立っていました。「あれ?子供がいる」メンバーさんの一人が呟きました。なるほど大人たちに交じって子供が二人こちらを向いてなにか話しているよう、誰かから「お祓い」のことをききつけて、面白半分でみにきたのかしら・・・

 

  妹はいやな予感がー、というのも娘のRちゃんに今日のお祓いのこと話していたから。妹はなるべくそちらを見ないようにして、エレベーターホールから通路へと一歩踏み出した。すると子供の一人が「せんせー」とうれしそうな声でさけびました。よく知っている声だ、「えっ?Kちゃん」、妹がおどろいてそちらをみると

 

 Kちゃんはすでに妹に向かって駆け出していて、あっというまに妹に飛びついた。キラキラ眼で妹を見上げるKちゃんに、「どうしたの、なぜKちゃんがここにいるの?」と。Kちゃんは「せんせー、今日学校お休みだったでしょ?」と困惑気味の妹に見当違いな返事。いや、そうじゃなくてぇ。「あのね、ママにつれてきてもらったの」

 

 「えっ?おかあさんに」、「うん、ママの車で来た」。一体どういうこと?妹は8月末地区の避難訓練であったKちゃんの母親を思い浮かべた。そのとき「Rちゃんのママ」。Kちゃんの後からついてきたもう一人の女の子が妹におずおずと声をかけたー妹は問われるまでもなくその子をよく知っている。娘のRちゃんの友達―Jちゃんだ。

 

 Jちゃんはこの階に住んでいて、例の9月末の飛び〇りさわぎのとき、Rちゃんと一緒に一部始終を目撃した。「わたしたち、いとこどうしなの」。「えっ?そうなの」。「うん、ママ同士が姉妹なんだ」―Kちゃんがその後を引き継いでこたえた。妹はすぐに状況を理解して、あたりを見回す―とりあえずKちゃんのお母さんにごあいさつ・・・

 

 「ママたちなら、お部屋ではなしこんでるよ」妹の意図を察してJちゃんが答えた。「うん、井戸端会議。話始めたら終わらないよ」とKちゃん。「ああ、そうなの」妹はほっとして「じゃあ、今日はKちゃんのおかあさんが、Jちゃんのママに御用があったのね」と。「ううん、ちがうよ。私がお願いしてママにつれてきてもらったの」。(えっ?)

 

                          つづきます。