専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

不思議な少女(2)

 みなさん、こんにちは! お久しぶりです。

私は元気ですよ、幸いに新型コロナ感染症にもかからず暑い夏を過ごしています。 さて、前回の(かなり間が空いてしまいましたね~)続きです。 妹の住むマンションで起こった不思議な出来事です。 気持ちの良い話ではないので苦手な方はスルーしてくださいね。

 

 季節は9月の末、夕方の7時ごろです。 その日妹の娘のRちゃん(小学校の高学年)は高層階にある友達の部屋(家に)遊びに行っていました。 もう一人仲の良い女の子(やはり同じマンション住まい)と三人でー、いつものようにワイワイ騒いで夕食時になったので 友達のお母さんから「そろそろ帰ったら?」と。 

 

 友達が「私、エレベータのとこまで送っていくね」と奥に声をかけ、三人で廊下にでました。 廊下の照明には明かりが入っていました。 ーそこから(高層階)はるか彼方に見える山々は影絵のようで、その向こう西の空に茜色の光がわずか残っていました。 下の草むらでは初秋の虫がうるさいくらいに鳴いています。

 

 階下に広がる街は宵闇に沈みかけており、住宅地の家々には眩い明かりがともりはじめていました。 廊下側から見下ろすと、手前の線路を煌々と明かりをつけた長い電車が、ガタンガタンと通り過ぎてゆきます。 Rちゃんが膝を曲げてつま先を地面でトントンとたたいていると、先に出た友達が「ちょっとぉ~」

 

「あの人ちょっとおかしくね?」と不安そうに声をかけてきました。 友達が指さした方向を見るとー、そこはちょうど友達の部屋とエレベータホールの中間地点ぐらい、サラリーマン風の男性が一人、廊下から真下を見下ろすように柵にピッタリ体をつけて立っていました。 「なにをしてるのかしら?」

 

 三人は何とはなしにそこに立ち止まってその男性をみていたそうです。 廊下の柵は男性の胸よりしたくらいの高さで。 男性はぼんやりと両手を柵にかけて、その人のものと思われる黒いカバンが足元に転がっています。 Rちゃんが「知ってる人?」と、二人が同時に「ううん」とその男性から視線を外さずに応えました。

 

 友達の一人が「あっ」と鋭く叫びました。 見ると、男性がいきなり片足を柵にかけて乗り越えようとしていました。 「ええー」と、三人は口々に声を上げました。 もちろんそこはマンションの十数階、柵の外側は何十メートルも下の地面に真っ逆さま。 その時、エレベーターホールが急に明るくなりなりました。

 

 エレベーターの扉が開いて、その階の住人(男女)が数人が(仕事から)帰ってきたのでした。 彼らはRちゃんら三人と同時にその男性の不審な行動に気が付きました。 彼らうち二人が口々に喚きながら同時に男性に向かって走り出し、Rちゃんらは「早く、早く」と飛び上がって叫んでいました。

 

 二人が男性の背中をわしづかみにして廊下側に引きずり倒しました。 Rちゃんが見たのはそこまでと、それから少しー その場にいた大人の人から「早くお家に帰りなさい」と声をかけられて、その飛び降りようとした男性の横をすりぬけて、彼を盗み見しながら部屋に戻りました。 男性は相変わらずぼんやりとしていた・・・

 

 飛び降りようとした男性は、そのあと通報で駅前の交番からかけつけた警官に簡単に事情をきかれたそうでー(何人かそのマンションの住人も立ち会ったそうです)。 男性はそこからかなり離れた街に住むサラリーマンで、そこから電車にのって通勤しているそうです。 勤め先は妹の住む街からかなり先の街の商業地区でー

 

 妹の住む街は彼にとって毎日電車に乗って通過するだけの場所、何年も同じ電車に乗っているが、一度もその駅で途中下車したことがなかった。 その日もいつも通り定時で仕事を終え、いつもの通勤電車に乗って帰路についたそうです。 いつものように電車の扉付近に立ち、窓からぼんやりと風景をみていたー

 

 電車が妹の住む街の駅に近づきスピードを緩めた、男性にはいつもの(妹が住む)マンションが目に入ってきた。 その時男性はマンションの最上階の上、屋上の屋根の一部分がうすぼんやりと明るいことに気が付いた。 「あれなんだろう?」男性がその部分を目を凝らしてながめると、

 

 なんとそこに「雪ん子」が立っていたそうです。