専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

ダンナがスキーに行った時の話(2)

 みなさん、こんにちは!

 み、三日連続ですっごく良いお天気、気分も上々です。子供たちのお布団がよく干せて、ついでに洗面所や脱衣所の敷物なんかも丸洗いしちゃいました。さて、前回(1)の続きです。気味の悪い話なので、例によって苦手な方はスルーしてください。

 

 夜中、スキー場に向かう車の中ー女性の話題で、あれだけはしゃいでいたいとこのお兄さんたちが ドライバーさんの「おい、あれ!」という一言で急に黙り込んでしまった。半分寝かかっていたダンナも「あれー、なんか雰囲気が変わった?」と、感じた。横になってたダンナはシートに肘をついて上半身を斜めに起こした。

 

 後ろのシートから前の四人をみるとーみんな固まったように動かない。ドライバーさんは、少し前かがみになって一心不乱になってハンドル操作をしている模様。他の三人は少し前のリラックスした姿勢から、肩にすごく力が入って緊張した状態にー。ダンナが「どうしたんだろう?」と、後ろからお兄さんたちの様子を窺っているとー

 

 突然、車のスピードが上がった。「振り切れるか?」と一人が言った。助手席にいたいとこさんが「気を付けろ!」と。その時ー後ろからだけどーダンナ気付いたそうです。三人(ドライバーさん以外)とも同じ方向を見ていると。三人は前に視線(一直線)を向けたまま微動だにしない。ダンナ、訳が分からず四人の後ろ姿を眺めていた。

 

 その状態が10分ぐらい続いただろうか? ようやく車が峠を下り、前方に街の明かりがちらほらと見えだした時、ドライバーさんが「ふう」と肩で大きく息をした。直ぐに他の三人も体の力を抜いてくずれた姿勢になった。いとこさんが「どうやら、いなくなったな」と。ダンナ、その後直ぐに眠ってしまったらしい。

 

 次に起きた時(トイレ休憩)、あたりは明るくなっていた。車外で四人が話していた。「・・・いたな」「帰りは少し早めにでるか?」「明るいうちにあの峠を越えられるかなぁ?」「遅くなったらー、混んでてもいいから市内を抜けていこう」「まずいよ俺、なんかミラー越しに目があっちゃったみたい。大丈夫かなぁ?」

 

 ダンナ、その話を聞きながら漠然と「峠のスピード狂の話」を思い浮かべた。真夜中

あの峠に「一匹狼の暴走野郎」が潜んでいて、通りかかった車に誰かれなくスピード競争を挑んでくる(今でいう「煽り運転の」の類)。そんなことがあったんだろうか?なんてー。「そういえばあの三人、車のサイドミラーで後方をずっと見てた?」

 

 「でもあの時、後ろから暴走車に追いかけられていた・・・そんな感じでもなかったけどなぁ?」、ダンナなにかスッキリしないまま、車はスタート。そのうちに車窓から見える周りの素晴らしい雪景色に目も心も奪われて、「峠の暴走野郎」のことはすっかり忘れてしまったそうです。ーそして、帰る直前にその事故は起こりました。

 

 午後3時前にスキーを切り上げて、休息小屋の前の広場で個々にスキー用具の後片付けにしていた時。「しまった」という声が聞こえて、そちらの方を見ると。いとこさんの友達の一人が左手から真っ赤な血を垂らしていた。血はみるみる白い雪の上に広がった。かなりの出血量、みんな直ぐに友達に駆け寄り「腕を縛って血を止めろ!」と。

 

 なんでもケガをした方 スキー靴をスキー板から着脱する留め具で手の指を何本かえぐられるように切ったそうでー、いつもなら手袋をはめたまま操作するけれど、この日は留め具が雪で凍り付いて手袋の上から操作しづらかったので、手袋をはずしてムリヤリ留め具を外そうとしとして、指を切ってしまったらしい。

 

 直ぐに小屋の救護室で仮の手当てをしてもらい、近くで休日診療(土曜日の午後)している外科医を紹介してもらってそこへ行くことに。ケガの処置(麻酔をして切れたところを縫合)をしている間、ダンナは一人で車で寝てたそうです(友達三人は付き添い)。結構、傷が深かったらしく全治するのに3か月以上かかると。

 

 ケガをした方が車に戻ってきたとき、顔が真っ青だったそうです。ーで外科医さんの所を出発したのが、午後五時半ぐらい、予定より約2時間の遅れ。みんな疲れてぐったりして、誰も口をきく元気がなかったので車の中は静かだった。ケガをした人は一番後ろのシートで体を横にして寝てたけど、車が信号で止まった時ぽつりとー

 

 「やっぱり、目があったのがよくなかったのかなぁ」

                           つづきます。