専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

ふしぎな女の子(9)

 みなさん、こんばんわ。

 勢いで終わらせてしまいます。例によって気味のわるいはなしなので、苦手な方はスルーしてください。それではー

 

 「またまたー、住職先生。上手いんだから―」と、教頭先生が沈黙の重さを払いのけようと陽気な声を上げた。「私、だまされませんからねー。ねえ、○○先生(妹)」と目配せ。妹それに「ええ、ええ」とぎこちなく頷く。それでも住職先生真顔のままで「いやいや、教頭先生、冗談抜きでぇー」、

 

 「おかしいと思われませんか?」。「どうゆうことですか?」。「つまり、二十数年も前にオヤジが体験した話を、僕がスラスラと話すなんて・・・」。「?」。「そうでなくても僕、記憶力自信なくてー、子供達から『けん坊』なんて呼ばれてるんですよ」。「成程、確かにおかしいですねー。・・・あら、失礼」と、教頭先生

 

 冗談めかして場の雰囲気を和らげようとした。ーが、一層住職先生の表情が大真面目に。妹もその雰囲気に飲み込まれて、鉛のように黙りこくった(住職先生、一体何を言おうとしてるのかしら?)。住職先生、緊張でかすれた声で「実はこの話、この間オヤジから聞いたんですよ」。「このあいだ?」。「ええ」と、住職先生大きく頷く。

 

 「オヤジやつ、最近S君の夢をみたそうなんです」、「お父様が、T先生の夢を?」

「はい、それで僕に『以前お前にも話したあの話、覚えてるか?』って調子で、もう一度(先ほど僕が先生方にした話を)詳しく聞かせてくれたんです」。教頭先生「それは、ちょっとびっくりですねぇ」、その言葉の語尾に被せるように

 

 「いやぁ、僕もびっくりしました。親父から聞いたばかりの話について ○○先生(妹)に訊ねられたので―」。二人が同時に妹の顔を見た。妹、住職先生の目を見て「スイマセン先生。先生のお父様がS君の夢を見られたのはいつなのか分かりますか?」。「ええと確か、先週ここで避難訓練があった日の夜だったと思います」。

 

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  上級生の女の子たちにとって、夏休みは彼女たちに特別な成長をもたらす出来事があるようだ。これは妹が教師時代から常々感じていることでー。長い夏休みが終わって二学期が始まり、登校してくる女の子たち(特に5、6年生)をみると、彼女らは一学期と比べて別人のようにみずみずしく女性らしく変貌を遂げている。

 

 まるで、蝶々の「さなぎ」が「成虫」にかわるように、女の子から少女へ。二学期初日、妹はそんな思い抱きながら、登校してくる上級生の女の子たちを玄関前で見守っていた。「せんせいーおはよー」という声まで丸みを帯びて女性らしく変化しているように思える。下級生の女の子たちは黒く日に焼けて、さらに逞しくなってー。

 

 そんな中、登校してきたKちゃんを見て妹は驚きの目を瞠った。十日ほど前の避難訓練の時はそんなに思わなかったけど、どうだろう今朝の彼女の容姿、その変貌ぶりは。

体が女性らしく丸みを帯びて、ずっしりとした重量感が。そして、その体から生気を発散し、夏の朝の日差しよりも鮮やかにその姿を子供らの中に浮かび上がらせてる。

 

 目をKちゃんに釘付けにしたまま「彼女に一体何があったんだろう?」と。妹の目線に気付いたのかKちゃんがニコニコ笑いながら、まっすぐ妹の方に向かってやってきた「せんせーおはよー」。妹、少しドギマギしながら「Kちゃん、おはよー」。Kちゃん、妹にだけ聞こえる声で「せんせい、私が先生を守るからね」。妹「?」。

 

 小学校に喧騒が戻ってきたー教室棟からはなれた職員室にいても児童らのざわめきが感じられる。毎朝妹は、担任のT先生よりも少し早く教室へ行くことにしている。その日(二学期最初の日)も配り物を持って立ち上がると妹、「それじゃ、先生お先に」とT先生に告げて、教室に向かおうとしてー何気なくT先生に訊ねてみた。

 

 「そういえば先生、ちょっと聞いたんですけどー、先生ってこの小学校の出身だったんですよねぇ」。T先生、それを聞くと笑いながら「何を言ってるんですか○○先生(妹)。違いますよ。僕はH県のT市出身ですよ。だから高校卒業するまで向こうにいましたよ」

 

 これで妹から聞いた、「ふしぎな女の子」のお話はおしまいです。妹から聞いた内容を日記に書き、そのまま写したので時系列や内容に矛盾があるかもしれませんがご容赦下さい。ここまで読みつないでくれた皆さん、お疲れさまでした。

 

 話は一旦おしまいなのですが、次は「不思議な少女」(やはりKちゃんのことで妹が体験した)の記事を載せたいと思います。今回、思ってたより手間取ったので次回はもっと要領よく書きたいと思います。それでは良い連休をー