専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

ふしぎな女の子(7)

 みなさん、こんばんわ。

 気味のわるいはなしの続きです。苦手な方はスルーしてください。

 

 「そうですか・・・」と云ったきり、住職先生(6年生の担任)は黙ってしまった。話そうか、どうしようか迷っているように見えた。その時、少し遠くの席で妹と住職先生のやり取りを見ていた教頭先生が「あっ、その話、私も聴きたい」と首を突っ込んできた。それを見て「そうですかぁ」と、住職先生にやりと笑った。どうやらー

 

 話すのをためらっていたのではなく、「どうやったら面白くなるか」話す内容を頭の中で組み立てていたようだ。つまり、女性(妹)を面白がらせる為の効果的な話し方を考えていたーらしい。ちなみに教頭先生も四十半ばの女性で、子供がいないせいか年齢より若く見えた。住職先生、オーディエンスが増えて俄然はりきりだした(妹談)。

 

 それは約30年前のこと、旧校舎のあの教室は3年生が使っていたそうだ。その時の話、何がきっかけで「そう」なったのか誰にも分からないが、最後列の窓際の席には、ある噂が立っていた。それは、「(あの教室の)その席に座った児童は、友達ができない」というもの。まあ、たちのわるい噂としか言いようがない。ところがー

 

 不思議なことに、たしかにそんな現象が起きていた。小学生なので頻繁に席替えをする(一学期間に2~3回)。普通に友達がいる児童さんでも、席替えでその席に座ると、なぜか仲の良かった友達と仲たがいをして疎遠になる。そして次第に友達が離れて行って、休み時間など一人でいることが多くなるー友達の輪にも入れない。

 

 でも、席替えをして別の席に移ると元通り。そして、次にその席に座った児童さんがーの繰り返し。全員が全員というわけではなかったけど、そのうちその席が「○○さんの席」と呼ばれるようになりー、席替えの時、だれもそこへすわりたがらなくなった。その現象は、次の年の3年生にも引き継がれて、みんな気味悪がるようにー

 

 で、学校中の噂になりーとうとう3年生のPTAの間でも問題になった。で、学校側の判断でその席を空席にした。最初は机だけ置いていたけど、ある時児童たちが「放課後、あの席に誰か座っているような影が見える」なんて言い出したものだから、机ごと取っ払ってしまった。それから、しばらくしてそんな現象も噂もなくなった。

 

 そして数年後、その教室は6年生の教室として使われていた。先生たちも児童たちも(以前噂のあったころから)代替わりしていて、そんな噂を知っている人もほとんどいなくなってー、いつも間にか最後列の窓際(カーテンを束ねてある横)の席が復活していた。まあ、学年的にも「友達、友達」という年頃じゃあなかったしー、逆に

 

 斜に構えて「オレは一人が好き」なんていうタイプの児童さんもいたから、その席に座って、以前のような問題が起きる事はなかった。-で、一学期のある日、S君という

男の子がその席(最後列窓側)に座ることに。S君はもともとおませさんで「オレはお前たちとはレベルが違うんだ」的なことを常々言ってた(今でいう”中二病”)

 

 まあ、一足早く思春期真只中へ突入してしまったようなータイプの子。でも、そんなこと言ってる割には、やはり「クラスのみんなに注目してほしい」的な色気が見え見え。だから、クラスのみんなに目立つようなスタンドプレーもよくやってた。それでクラスの何人かはS君のアクションに反応してたんだけどー、あの例の

 

 窓際の席にすわってから、だれもS君のアクションに反応しなくなったーそうだ。不思議なくらい、いじめとか故意ではなくーS君が何をやっても見向きもされなくなってしまった。それで、だんだんS君のアクションがエスカレートして、ある日の休み時間、窓枠に腰かけて両足を外に垂らしてぶらぶらするように。

 

 それでもやはり誰もS君の危険な行為に反応したり声をかけたりする児童さんはいなかった。とうとうS君、窓枠に座って足をブラつかせながら、首だけ教室の方に向けて「オレ、ここから飛び降りようかな」と云った。その言葉を聞いた児童さんは何人かいたそうだがー、窓の近くにいた女の子が「いま、だれか窓から落ちなかった?」と。

 

 何人かが窓に駆け寄り、一斉に下を覗くとS君が足を曲げて倒れていた。幸いにも二階だったのでS君は足を骨折しただけで済んだが、一か月ほど入院することになった。

後にS君曰く「飛び降りる気はなく、後ろを向いたときバランスを崩して落っこちた」と。担任の先生が児童さんたち一人一人に状況をきいたところ、

 

 だれもS君がそんな危ない体制でいることに気付いていなかった。それから奇妙なことがあった。休み時間に窓枠に座っているS君が見えたとか、教室の中を見て「バイバイ」と言っていたとか。それで、どこからともなく以前の「〇〇さんの席」の話が復活、S君の落下をそれと関連付けてークラスが半ばパニックのような状態に。

                            つづきます。