専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

タイムカプセルのはなし

 みなさん、こんばんわ。

 今日は天気が良くて、暖かくて気持ちの良い一日でした。

 

 春休みが始まったころ、三男が「もう、中学校の同窓会をしようと、言っている奴がいる」「いくらなんでも早過ぎるだろう」「まだ、卒業して一年しかたっていないのに、何考えてんだ」と。コロナの影響で学校が臨時休校になって、やることがなくなって、中学校の同窓会をしようと云う話が持ち上がったらしい。

 

 三男、速攻で「やるとしてもー不参加」の連絡を。結局、同窓会の話は流れたようです。ところで、ふつう中学校の初回同窓会って、卒業してどのくらい経ったらやるものなのでしょうか? 小学校は、成人式の後(卒業して8年目)に、第一回目の同窓会を行う(午前ー成人式、午後ー同窓会)と、聞いたことがあります。

 

 小学校の補助教員のパートをしている妹から聞いた話(「ふしぎな女の子」とは別の学校であった出来事)。その学校では卒業記念に「小学校時代の思い出の品(定形封筒に入るぐらいの大きさ)」と「二十歳の自分へのメッセージ」をタイムカプセルに入れて保管、第一回目の同窓会でそれを開けて、みんなで見せ合うー盛り上がる!

 

 保管方法は、厳重に防水処置を施したカプセルを運動場または校庭に埋めておき、8年後に掘り出す。同窓会当日にカプセルが見つからないとシャレにならないので、事前に同窓会の幹事さん(同窓生)が、小学校へやって来て予めタイムカプセルを発掘。場所を確認した後、浅く埋めなおしておいて、当日全員で掘り出す。

 

 妹が住んでいる市では、成人式がお盆休みに行われていた。当然、第一回の同窓会もその頃なので、8月になると前もってカプセルを探すため、幹事さんたちが小学校へやってくる。発掘に来るのはたいがい平日(月~金)です。教職員さんたちも出勤(登校)しているし、幹事さんらも学生さんなのでなにかと都合が良い。

 

 8月の第一週、その年に二十歳になる同窓生(幹事さん)が小学校へやってきた。教頭先生らが応対しーその小学校では慣例なのでー運動場での発掘を許可。作業が始まって2時間経過したころ、汗と泥にまみれた幹事さんらが職員室へやって来て「先生、カプセルがみつからない。さがすの手伝ってー」と。

 

 先生たち「また、今年もかぁ~」とウンザリ。教頭先生の指示で、手の空いてる先生(夏休みなのでほぼ全員)は運動場でカプセル探しの手伝い。現場に来てみると、埋めたと思われる場所ーそこら辺中掘り返して穴ぼこだらけ、しかも結構深い。妹とか初年度の先生は驚いたけど、これは毎年の行事らしい。

 

 先生ら「何か埋めた場所を書いた地図とかないの?」、幹事ら「なくしましたー」。前年は「カプセルと一緒に埋めてしまいました」とか。例え、地図らしきもがあったとしても、ただの落書きレベルらしい。または「担任の先生が、埋めた場所の写真とってくれましたぁ」、でも先生、いつまでも同じ学校にいません。早い人は三年で異動。

 

 先生ら「ほかに何か目印になるものはないの?」。幹事「正面のあの木と側面のあの木から直線を引いて交わった場所から、北に向かって10歩行ったところ」。なるほど、そこと思われる個所がかなり掘り返されている。生徒「でも、見つからないんですぅ」、「あのねえ、木って8年もすれば成長するよ、中心だってずれてくるしー、

 

 それに今の君たちの一歩と、八年前の一歩とではかなり巾が違うでしょう?」。幹事さんたち、なるほどと頷く。聞くと、クラスで一番小柄な「なべちゃん」の歩数で計ったみたい。取り敢えず、ここと思われる場所をみんなで掘り返すが、全く出てこない。毎年この繰り返しらしい。見つかる方がマレだとか・・・

 

 校長先生が差し入れの「冷たいジュース」を買ってきてー、日陰に行ってみんなでジュースをのんで一服。その後、また生徒さんたちだけでカプセルさがし。最後はあきらめて帰って行った。後で見に行くと、穴ぼこがそこここに。申し訳程度に埋めていってくれたけど、明らかに凸凹して雨が降ったら水たまりになること必至。

 

 しかも、9月には運動会がある。それから、職員全員で凹んだ箇所に土を運んで、水が溜まらないように。先生方「こらりゃ、たまらん」という事で、その年からタイムカプセルを運動場に埋めるのは禁止になりました。カプセルは校舎内にある倉庫で目印をつけて保管されることに。児童たちは文句を言ったそうですがー

 

 まあ、児童さんらもカプセルを埋めるときは、またそれを掘り返すことを思い浮かべてワクワクしたことでしょう。まさか、8年後にこんなことになるとはだれも想像できなかったはず。でも、あと7年はこのような状況がつづきます。「中止の恩恵をうけるのは8年後にこの学校にいる教職員のみなさん」と、来年もいる妹はため息をついた。