専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

不思議な少女(9)

 みなさん、こんにちは。(8)からの続きです。私の怠慢で途中かなり間が空いてしまいましたが、読みつないでくれた方どうも有難うございます。

 

 翌朝、妹は再び不思議な夢を思い返していた。確かに夢での出来事は、昨日、目に見える範囲で起こった事実の裏側で起こっていた真実なのかもしれない。でも、夢の中でのKちゃんや妹の言動は、あまりにも自分の願望が入り込んでいたようだ。悲しいけど、現実のKちゃんは自分のことしか考えていない。

 

 それは普段、彼女の他人への接し方をみればわかる(ふしぎな女の子参照)。女の子特有の他人(自分の興味がないもの)に対する残酷さと無関心さをクラスのどの女の子より色濃く持っている。戦時中の女子学生や彼女が慕う兵隊さんなんか歯牙にもかけていない筈だ。彼女の目的はたったひとつ、そうあの黒い靄を吸収すること。そのために利用したのだ。

 

 妹は少しだけどーやりきれない思いをかかえて寝床から起き上がった。だがKちゃんの性格はどうであれ、結果的には女子学生の魂を操り、あわれな犠牲者たちを飛び〇りにおいこんでいた邪悪な靄は消え去った。Kちゃんは興味ないだろうが、かわいそうな女子学生の魂は彼女が待ち焦がれていた婚約者の人形とともに救われたのだ。

 

 小学校につくと、妹はその日の予定を確認して、児童たちを迎えるために他の先生と一緒に、げた箱が並んでいる昇降口(出入口)に立った。Kちゃんと会うのは少し憂鬱だったけど、確認しておかなければならない事があった。それは、最近保険の先生が話していたことー「Kちゃんの女性としての成長があまりにも早い」

 

 「ホルモンバランスがくずれているかもしれない」ということで、保険の先生から担任を通し「小児医療センター」で受診するように母親に伝えたとのこと。しかし、母親は忙しさにかまけてそれを無視しているらしい。―が、妹はその理由が別にあると考えていた。あの黒い靄を吸収したからだ。夏休み明けがそうであったかのようにー

 

 今朝、彼女の容姿をみれば(急な変化が)わかるだろうと・・・。

 

 それからもうひとつ・・・それはあまり重要じゃなかったけど訊ねる機会は結構早くやってきた。あのお祓いがあってから二日後、マンションのエントランスでJちゃんに出会ったのだ。「Rちゃん(妹の娘)のママ、こんにちは!」元気よく挨拶をするJちゃんに挨拶を返しー「ねえ、Jちゃん。あの日Kちゃんはどうして、Jちゃんちにきたのかな?なにかお約束があったの」とー

 

 妹は何気ない風を装って気になっていることをたずねた。Jちゃんは妹の意図を察するはずもなく「あっ、あの日。うん、あの日はKちゃんがどうしてもゲームがしたいといって、おばちゃんにつれてきてもらったの」と。「げ、ゲーム?」。「うん、私が新しいゲームを買ってもらったので、Kちゃんどうしてもそれがやりたいって、あの日急にくることになったの」。

 

 「ふたりはあの日、自治会のみんながなんで通路に集まっていたのか知っていたの」。「ううん、全然しらないよ」。「・・・」。「お部屋でゲームしてたら、急に前がざわざわして、何か見に行ってみようってーそれでお外に出たの」。「・・・」。「そしたら、Rちゃんのママが上がってきて・・・それをKちゃんが見つけて・・・」

 

 「そうね。―で、そのあとふたりとも、通路で私たちといっしょにいたでしょう?」。「えっ?そんなことなかったよ。Rちゃんのママに会った後、すぐにお部屋に戻って二人でゲームしてたもん」。「???(そ、そんな・・・)、でも・・・終わった後、おばちゃん(妹)、通路にいたKちゃんと話したんだけど―」

 

 「・・・ああ、あの時ゲームしてたら、Kちゃんが『・・そと終わったみたいだから、ちょっと先生(妹)とはなしてくる』って、出て行ったけど・・・。すぐに『先生にバイバイ言ってきた』ってもどってきたよ」。

 

 不思議な少女はこれでおわりです。 次は不思議な少女2です。はてさて、いつになることやら・・・