専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

行方不明になった不思議ちゃん(3)

 みなさん、こんにちは。

 

 同タイトル(2)のつづきです。

 日常の行動が変で、とっぴな不思議ちゃん。私ガッコ―二年の夏のこと、テスト最終日から二週間ほど彼女と連絡が取れなくなってしまいました。友達は某国のスパイ養成所につれてかれたと騒ぎだすしー、私行き掛かり上、友達と不思議ちゃんのアパートに行ってみることに。

 

 母にはアルバイト行くと言って出かけた。待ち合わせの駅前に行ったら、なんと友達と一緒にH君も来てた(H君友達の半彼みたいなもの)。H君も不思議ちゃんのこと聞いて心配してた。友達、とりあえず不思議ちゃんと一番仲良しの子に(行先を知ってるか?)訊こうとしたけど、その子も田舎へ帰ってて連絡取れず。

 

 「やっぱり、テレパシー持ってるのがバレたのかなぁ?」とH君ー彼、友達の影響かなり受けてる。「きっとそうだよ」と友達もうなずく。確かに不思議ちゃん、まるで人の心が読めているかのように察しがいい(洞察力が鋭い)。彼女の口癖「世の中にはみえすぎたらいけないことがたくさんある」は自分の能力に対する(自分への)皮肉?

 

 例の「テストに出るところ」と不思議ちゃんが教えてくれた問題、全部テストに出た。別の友達によるとー担当の先生、授業中に「ここがテストにでる」なんてことは一度もいわなかったらしい。じゃあ、なんで不思議ちゃんそんなこと言ったんだろう?先生の頭の中が見えてたから? とにかく不思議ちゃんの成績、学部では断トツ。

 

 不思議ちゃん、某有名国立女子大を合格したけど、何か思うところあってこの大学へ来たらしい。私の感覚からすると「そんなこと」ありえないし、信じられない。なにか普通の人とは違う別のものー自分自身の特異な価値観ーを持ってるんだろうなと思う。そんな不思議ちゃんが「見届けたい」って言った私って、一体なに?

 

 で結局、不思議ちゃんとこ行く前にR先生のマンションに行くことになった。H君レポート、学内の締め切りに間に合わず、泣きついて今日まで提出日のばしてもらってるので、そっちが気になって仕方がない。駅からだとR先生のマンション、ちょうど不思議ちゃんのアパート(下宿)に行く途中ー通りから入って直ぐの所にある。

 

 先生の部屋の前まで来ると、扉が少し開いてた。まあ、夏なので特に違和感なし。H君が呼び鈴押そうとしたとき、友達が突然その腕を抑えて止めた「今、何か聞こえなかった?」。表通りの喧騒やセミの鳴き声がうるさいくらい聞こえてくるけどー。「ちがう、なにか悲鳴を押し殺したような女の人の声、中から聞こえた」と、友達が。

 

 私とH君顔を見合わせて「まさかぁ~」。三人、扉が開いてるところまで近づいて耳を澄ます。やっぱり何も聞こえない。でも、人の気配がするのは確か。「とりあえずオレ、そっと中に入って、様子見てくるョ」と、H君。「だ、大丈夫?」。「もし、怒られたら、これ持ってきましたって言うからー」と、手に持ったレポートを見せた。

 

 「ここにいて」と、H君開いてる扉の隙間から体を滑り込ませるように中に入ってった。こんどは、私と友達が顔を見合わせて、息を殺して耳を澄ました。そしたら、20秒もしない内にH君が「やばい、やばい。」と、小声でつぶやきながら、帰ってきた。「一体何がヤバイの?」友達が詰問口調で訊ねる。H君静かに扉をしめて、困った顔。

 

 「とにかく、行こう」と、私たちを促して歩きだした。私たち、訳わかんないまま後に続く。通りにでて少しためらった後、H君「R先生、奥さんと真昼間から、真っ最中だった」と。私と友達、一瞬訳が分からずに「はあ?」。H君「信じられないよ。入口開けっ放しで、いい年してー、昼間から―」と、独り言のようにブツブツ。

 

 それで、私と友達H君が中で何を見た(聞いた?)か理解した。ちなみにR先生は外国人で還暦前、奥さんは日本人で確か15歳くらい年下だとか。まあ、確かに自分らのマンションで真昼間から何をしようと自由だけど、戸ぐらいしめといてよネ。それで、H君あわてて、レポートをテーブルの上に置いて逃げてきたようだ。

 

 その夜、不思議ちゃんがいたと友達から連絡がありました。不思議ちゃんやっぱり彼の所へ行ってました。そこで1週間ぐらいいて、それから「おじいちゃん、おばあちゃんの家」(これは実家の近く)に寄っていとこらと遊んで、今日家に帰ってきたそうです。ほんと人騒がせな。ちゃんと実家(お母さん)に連絡してからいけよ。

 

 でも、不思議ちゃん曰く「お母さんには伝えたんだけどー」。まあ、取り敢えず、無事でよかったーと。その後、不思議ちゃんちへ行く打ち合わせしたんだけどー。結局私、行けませんでした。直前に父が、単身赴任先で酔っぱらって階段から落ち、頭を打って入院。そっちのお見舞いに行くことになったからです。

 

 その後もいろいろとあって、その年は大変な夏休みでした。