専業主婦の徒然ぐさ

中学時代からン十年書き溜めた日記と画像を見ながら書いています

見栄坊君のはなし(3)

 みなさん、こんにちは!お久しぶりです。―てか、毎日暑いですね。わたしは少々夏バテ気味です。また、台風も来ているみたいだし、お庭のプランターや植木鉢を移動させるの大変なんだから・・・子供たちは手伝ってくれないし。ダンナがやってくれるから・・・まっ、いいか。私は、ダンナに指図するだけ・・・てへへ

 

 かなり間が空いちゃったけど、見栄坊君の話 終わらせますね。見栄坊君が自分の実力よりもはるかに高い高校(公立)へ行きたい理由―それは、その高校にしかないクラブ(部活)に入りたかったから・・・? 「どうしても、○○がやりたい」と涙ながらに訴える見栄坊くん。でも、塾先生や見栄母にすれば「寝耳に水」今頃それ言うか~

 

 見栄母絶句・・・のち 再噴火。「それなら、よけい前もって勉強せないかんのちゃうんかー」「やりたい部活があんたんとこの高校しかないから入学させてー言うても、『はいどうぞー』って言うてくれるわけないんやでーあほちゃうか」。見栄母怒りのボルテージが上がると言葉遣いが関西弁じみてくるの?と、お母さま

 

 お母さまにすれば「なんとなく見栄坊君の気持ちがわかる・・・」が、同情する気にはなれない。「―で、どうすんのやー?」「あんたの力じゃ、どう逆立ちしても、この高校へはいけんのや」見栄坊母追い詰めるねーと、そのとき。塾先生が「あっ、ちょっと待ってください」手元のパソコンでなにやら検索しだしたー。 そしてー

 

 どうやら、お目当てのホムペを見つけたようだ。涙目の見栄坊君に向き直ると(優しく)「ねえ、見栄坊君、本当に高校で○○(部活)がしたいの?そのクラブ活動がある学校じゃないとどうしてもダメなの?」見栄坊君いきがかりじょう「うん」と頷く。それを冷めた目で見る見栄母。(えっ、そうじゃないでしょ、見栄坊君)とお母さま

 

 三者三様の想いが複雑にからみあうとき、歯車は狂いその物語は思ってもみない方向へと進みだす。塾先生声をはずまし「となりの県にそのクラブ活動がある私立高校があるよ・・・ここなら十分通学圏内だしー」、見栄母にむきなおり「私立高校でも大丈夫ですか」と画面を指さす。見栄母あっけにとられたようだがー

 

 「ええ、うちは私立でも大丈夫ですが・・・先生。そこ(私立高校)この子(見栄坊君)の実力で受かりそうなんですか?」「ええ、少し厳しいと思いますが専願にすればなんとかなると思います。」「ほ、ほんとうですか?先生」愁眉をひらく見栄母。「受験まであと〇週間。もちろん○○君には今以上にがんばってもらわないといけませんが・・・」

 

 見栄坊君を脇に放置したまま、どんどん話を進めだす二人。結局、見栄坊君はその私立高校を専願受験することになり、一件落着。「よかった、よかった」と見栄母と塾先生、見栄坊君、苦笑い~。面談を終え、二人(実際には見栄母のみ)は意気揚々とひきあげていった。あっけにとられる件のお母さま・・・

 

 その後、お母さまが娘さん(家の二男の同級生)から聞いた話によると、見栄坊君はその私立高校に専願で見事合格。みんなが公立高校受験のラストスパートの塾に意気揚々とあらわれてー曰く「オレ○○高校に推薦で合格したけどさーどうしてもこの高校から来てくれと言われてー○○クラブに入ってほしいと頼まれてさー」

 

 「オレ 本当なら○○高校(名前を書くだけで見栄母から夢遊病とののしられた)へ合格する実力あるけどー、○○(専願私立)から熱心にさそわれたしー授業料はダダでいいですから来てくださいといわれると断れないじゃん」と懲りずに、いつもの調子で吹きまくっていたそうだ。

 

 しばらくしてから、風のうわさで見栄坊君は軟式テニス部に入部―、半年もしないうちにテニス部をやめて 全国高校クイズ選手権出場を目指すクイズクラブに移り、そこでボタンの早押しの練習ばかりしているとーそれを聞いた件のお母さま、すこしあきれるも、見栄坊君が高校生活をエンジョイしているならそれでいいかとー

 

 ちがうかもしらないけど「瓢箪から駒」「人間万事塞翁が馬」を思い浮かべた私でした。                           それじゃ、またね

見栄坊君のはなし(2)

 みなさん、連休もおわりましたね。新型コロナも収束に向かい、制限がかなり緩和されて、お出かけしやすくなりましたね。我が家にも連休初日に「赤ちゃん」がきてくれたしー長男や長女もかえってきてくれました。―てか、前からちょくちょく来てたけど。思い返すと、去年の8月ぐらいがピーク(オミクロン)だったようで。

 

 さて、前回(1)のつづきです。件のお母さま、「なぜ見栄坊君生態にそんなに詳しいの?」といいますと。見栄坊君がお気に入りの女子(同じ学校の同級生)がその塾におりましてぇーお母さまの娘さんがその女の子(オキニの女子)と仲良しだったというわけ。ちょっとややこしくなったので下に整理しますね。

 

お母さまー話をしてくれた方。娘さんがうちの息子と同じクラス               娘さんーお母さまの娘さん。見栄坊君やオキニの女子と同じ塾           見栄坊君―成績、部活で目いっぱい見栄を張っている               

オキニの女子―見栄坊君のお気に入り(同級生)。娘さんと仲良し        見栄母―見栄坊君のおかあさん                           ヌートバー WBC 日本代表

こんな感じかな・・・あと登場人物として塾の先生

 

 戻るね。三者面談に聞き耳を立てたお母さま。どうやら、見栄坊君が途方もない受験高校を中学校と塾に提出して、もめているらしい。先生が「学力相応な高校へ受験先を変更したら・・・」と穏やかに説得。ところが見栄坊君、言を左右して「うん」といわない・・・ここにきて自分の成績は十分に承知している筈なのだが(まだ、未練が・・・)

 

 15分経過、話は平行線のまま。息子と先生のやりとりを黙って聞いていた見栄母の顔がだんだん険しくなり、鬼の形相に。とうとう見栄坊君の「のらりくらり」に見栄母の「怒り」が大爆発。いきなり手のひらで「バン」とテーブルをたたくと、見栄坊君にむかって「あんたー」「この用紙、なにをかくものかわかってるの?」とー

 

 学校へ提出した受験校の記入用紙を見栄坊君の鼻先につきつけたー「これはな(記入用紙)、あんたの夢や希望をかくものちがうでぇー(えっ、関西弁?)」「その段階はとっくに終わっとるわぁ」「ええか、これは現実可能なこと(受験高校)をかく紙やでー、わかっとんのかーえぇぇぇー」「あんたの夢の話をかくもんとちゃうでぇー!」

 

 見栄母の恐ろし怒鳴り声に全員唖然(これはもう聞き耳を立てる必要がない)。先生が「まあ、まあ、おかあさん。○○君もそれはよくわかってるとおもいますよ。ねえ、○○君」と取り繕うが、怒りの収まらない見栄母「いや、分かってません」と。「あれほどゆうたやろー、現実的なこと(受験校)を書けって」(言ってたんかぁーい)

 

 「何べんゆうたら、わかるの?」「あんた、昼間から夢見とるんか?」「夢見ながら生活しとるのか?」「あんた、夢遊病なんか?」「もう、ほんまにええ加減にせな いかんでぇー」と一気にまくし立てた。その余りの剣幕に見栄坊君たまらずなみだ目に。先生「目標を高く掲げることはとても大切な事だけどー」

 

 「お母さんが言われたように、今は現実的にならないとねぇ・・・なにかこの高校にこだわる理由があるの。それは何なのか教えて」と助け船。母の睨みに耐え切れず見栄坊君「この高校の〇〇部にはいりたい」と。見栄母と先生顔を見合わせて「〇〇部に入りたいからこの高校へ行きたいの?」

  「うん」と力なくうなずく見栄坊君・・・             

                         つづきます。

赤ちゃんが来たよ

 みなさん、こんにちは。

 久しぶりに写真を投稿したので、やり方をすっかり忘れてしまい。画像だけでブログを公開してしまいました。もう一度やり直しますね。ちょっとヒドイ画像なので閲覧注意にしておきますね。

 

 この間、親戚の女の子が赤ちゃんを見せにきてくれました。女の子といっても今では立派なお母さんです。小っちゃかった彼女がいつの間にかー”ママ”さん!感動ものですよね。でも最初は慣れないことばかりで失敗の連続、わからないことがあると(彼女の)母親にたずねたり、検索したりーでスマホを置く暇がないと。

 

 コロナのせいで環境もガラリと変わった。ただ良いこともある。旦那さんがテレワーク(在宅勤務)になったおかげで、家の用事をいろいろと助けてくれたそう(優しいー)。今年になって規制が緩和ー、やっと遠出(電車での移動)ができるように。外に出て赤ちゃんと一緒に太陽の光を思いっきり浴びるのは気持ちいいーと喜んでた。

 

 でも、赤ちゃんを連れての移動たいへんなんだよね。荷物が半端なくて、ベビーカー

にたくさんバッグぶらさげて電車やバスの乗り降り苦労します(マイカーも大変だけどネ)。なんて、彼女の話を聞きながら、昔の苦労をおもいだした私です。何が一番大変ってたずねたらー、おふろかなって。特に、旦那さんがいないとき。

 

 「たまには、のんびり一人入りたいけどー」ってため息交じりにいうもんだからー、「じゃあ、今晩は私が入れてあげようか?」って(彼女 その日は我が家にお泊りです)。彼女「えっーほんとう! 助かるぅ」って大喜び。私、その夜はとってもひさしぶりに赤ちゃんと入浴することにー、うちのダンナがそれを聞いて大はしゃぎー

 

 「せっかくだから記念にビデオとろうー」と。これには私もあきれたけどー

彼女(親戚の女の子)も開いた口ポカンーだけならいいけどドン引きされるじゃない・・・と思ったら。彼女全然へいきで「あっ、いいな。撮れた動画うちにも送っといてね」と。もしかしたら・・・「うん、うちの旦那もいつも撮ってるよ」だって。

 

 結局私もそんなに恥ずかしがる年齢じゃないのでー「まっ、いいか」。でも「白髪が目立つのであまり上から撮らないでね(最近、邪魔くさくて髪染めしてない)」といったにもかかわらずー。ダンナ真上から撮ってるぅ。自虐ネタになるけどその画像貼り付けておくのでー、年齢が年齢なのでおぞましい(ホラー)画像になってる?

                     

      

      赤ちゃんってほんとかわいいよねー よちよち

      (頭が白髪だらけだよ・・・)

 

      

     こんにちは、お姉さんですよ(お祖母ちゃんじゃないよ)

      (頬が完全にたるんでるよー修正不可能!)

 

 これ、不適切画像じゃないよね。もし、該当するなら削除をご申請ください。

 

                           それじゃ、またね。

 

見栄坊君のはなし(1)

 みなさん、こんにちは。

数年前の事、お子さんがとある塾通にかよっているお母さまから(当時)きいたことです。時が経ちーもう特定不可能になっていると思うので、記事にしますね。

 

 少しややこしいので、登場人物の説明からーお話を聞かせてくれたお母さまのお子さん(うちの二男と同級生)がK塾にかよっていたのですが、その塾に件の見栄坊君がいました。見栄坊君と先のお子さん(二男と同級生)は別の中学校です。塾なのでいろいろな中学の生徒さんがいます。もちろん、見栄坊君の中学の生徒さんもー。

 

 見栄坊君少々よくない(?)性癖あり。それは自分を誇大広告することー聞くところー自分の盛り話が大得意! 学校の成績(定期テストの点数)についてもかなり盛って周りの同級生にはなしていた。どのくらいかというと、実力テストの偏差値40前後をプラス20もゲタ履かせして、「おれの偏差値 60くらい」

 

 見栄坊君、ある運動クラブに属していたが、そのクラブ自体が公立の中学校にあることが珍しいクラブ、つまりみんな内容(ルール)をしらない・・・どころか興味なし。ーので、それをいいことに自分はそこのエースで試合ではいつも大活躍ー「某高校からスカウト(スポーツ入学)の話が来てる。」とふくわ、吹くわ。まるでふいごのよう

 

  三年生になって「スポーツ推薦ことわって、実力で上位クラスの進学校A高校、B高校に入るんだ」と公言(絶好調!)。成績(五段階評価)はもちろん、テストの点数も隠しているのでー本人にしてみれば「本当のことは、誰にもわかるわけない」とタカを括っている。くわえて「おれは、やればからならず出来る」の本気信者さん。

 

 受験直前にはA高校、B高校に受かるだけの実力がつくことを信じて疑っていない。

 (なんでー?)

 

 ーなもんだから、学校(クラス)では、おとなしそうで成績がよくなさそうな(見栄坊君の個人判断)生徒さんをつかまえては自慢話のオンパレード。塾では他中学の生徒さんにー彼らが何もしらないのをいいことに「おれは○○クラブのレギュラーでエース、学校の成績はいつも上位」とさらに輪をかける始末。

 

 でも現実はそんなに甘くない、すでに周りにはバレバレ。塾でも、見栄坊君が他中学の生徒さんへ自慢したあとからー(見栄坊君と)同中学の生徒さんが真実の暴露タイムをスタート。悲しいことに本人全く気が付いていない。ついには、みんなで見栄坊君を調子に乗らせてピエロ扱い、その裏では冷笑しながら「あいつ、おわっとる」と。

 

 3年生の2学期になると、塾での話題は進学先ーみんなオープンに「おれ、○○高校予定、余裕」「私、△△高校だけど、ちょっと厳しかな」。その中、見栄坊君どうどうと「オレ、学校の進路希望調査書にA高校、B高校書いて提出、願書もだすよ」とぶち上げたーそれを聞いて、さすがに塾のほとんどが「マジか?」と気の毒がった。

 

 でも、中には「でたー、特攻野郎、爆タヒかくごー」と不届きなやからも。これが塾生の各ご家庭で話題に上がった。先のお子さん(二男と同級生)も「こんな面白い子、うちの塾にいるよ」とお母さまに報告。「いや、そんな無謀は進路指導の先生がやめさすでしょう」とお母さま冷静に分析。で、一連のやり取りがお母さまの頭に残った。

 

 年が明けて、冬休みのおわりころー、塾で三年生の「進路先(受験高校)」について、先生と親御さんとの二者面談があった。先のお子さんのお母さまも塾から呼び出しがあり面談に出かけて行った。ー着くと、ちょうどひとつ前の面談がはじまったばかりー。そこは、先生、お母さんとお子さん(生徒さん)の三者面談になっていた。

 

 話し合いはパーティション内でもなく、少しはなれたオープンスペースで行われいたためー(いくら声のトーンをおとしていても)話は丸聞こえだった。先生が何げなく呼んだ生徒さんの名前「○○さん」で、「あっ、あの見栄坊君だ」とお母さま気が付いた。それで俄然お母さまの興味沸騰、話の内容に聞き耳を立てたーのだった。

 

                           つづきます

高校時代の妄想の紹介だよ

 みなさん、こんにちは。

 最近、ブログが毎日かけてうれしいです。継続して書いていると日々のアクセス数やPVの数も増えてきてーとっても励みになります。やはりコロナが収まり、子供が毎日大学へ通えるようになったおかげで、コロナ前の生活リズムがもどって、昼間私だけの時間がとれるようになりました。

 

 今度詳しく書こうと思うんだけど、二男は昨年夏(コロナ猛威の中)無事大学院へ受かり、現在は研究所通いです。大学(大学院の授業がある校舎)と研究所がかなりはなれているので、曜日によって授業の日を決めて大学の方へー。こういう場合はWEBでもいいと思うんだけどー

 

 さて、高校生のころ、妄想癖があって(いまでもー)たわいもないことを考えて一人で楽しんでいた私。高校生の頃の日記でその中の一つを見つけたので、紹介。そのころ、よく考えていたのが明智光秀を名探偵に見立てて、安土城内で起きた難解な事件を解決させるというものー

 

 もちろん、かの有名な名探偵 明智小五郎さんから連想した妄想で、もし明智光秀が戦国時代の名探偵ならおもしろいなーっと。確か明智光秀は武芸百般の上に大将の器あり、あらゆる知識や事象に通じており神羅万象を味方につけて大活躍。そのうえ義理堅く、民百姓にやさしかった。

 

 これは名探偵の資質が十分にそなわっているのではとーで妄想がはじまった。簡単に紹介するね。全部書くと「不思議な少女」より、かなりながくなる。

 

 ある日ー明智光秀が出陣の準備をしていると、主君の織田信長からすぐ登城するようにとお達しが、「何事か」とあわてて出向くといつもの大広間ではなく、奥にある信長の私室(書斎)にとおされた。部屋の前の廊下には信長お気に入りの親衛隊が厳重に警備をー で、部屋に入ると

 

 光秀は驚いた。腰元の恰好をした男が一人床の上に倒れて首から血を流し絶命しており、その横で信長がポルトガル製の西洋椅子に腰かけて苦り切った顔をしていた。光秀が死体の横に平伏すると、信長に「はげー、これはいったい、どういうことだー」と頭からどなられた。

 

 光秀は恐れ入ったが、平身低頭言葉巧みにお伺いを立てるとーなんとか事情がわかった。先刻、信長がこの部屋に入ると女化粧をした見知らぬ男の死体がころがっていて、部屋が少し荒らされていたーそして、宣教師のフロイスからもらったお気に入りのクリスタルの置物が飾り棚から消えていた。

 

 光秀さらに恐れ入って、「それは、然るべきものを主として詮索方を設け、城内をくまなく探索して下手人をつきとめるべき、取り合えずお城は一刻も早く封鎖するように」と進言。「城は既に封鎖したが、探索は光秀、お前ひとりでやれ」しかも「このことは他のものに気取られるな。絶対だ」と理不尽な要請

 

 その絶対的口調にー光秀震えながら事情をたずねるとー「これだ!」と言って血が付いた十字架の首飾りを光秀の目の前に差し出した。「これが?」と光秀が訊ねるとー「わしがお濃にあたえたものだ」「濃姫様にー」「そうだ、これがこの男の首にささっていた」光秀が絶句していると、信長がつづけたー

 

 「お前は、お濃のいとこだ・・・」(ちょっとのつもりが長くなっちゃった)。

てな具合で城内で起こった殺人事件の解決をムリヤリ信長に依頼される光秀でありました。これから妄想はどんどん続いて一つのお話になるんだけどーそれはまた機会があればのせるね。

                            それじゃ、またね。

不思議な少女(9)

 みなさん、こんにちは。(8)からの続きです。私の怠慢で途中かなり間が空いてしまいましたが、読みつないでくれた方どうも有難うございます。

 

 翌朝、妹は再び不思議な夢を思い返していた。確かに夢での出来事は、昨日、目に見える範囲で起こった事実の裏側で起こっていた真実なのかもしれない。でも、夢の中でのKちゃんや妹の言動は、あまりにも自分の願望が入り込んでいたようだ。悲しいけど、現実のKちゃんは自分のことしか考えていない。

 

 それは普段、彼女の他人への接し方をみればわかる(ふしぎな女の子参照)。女の子特有の他人(自分の興味がないもの)に対する残酷さと無関心さをクラスのどの女の子より色濃く持っている。戦時中の女子学生や彼女が慕う兵隊さんなんか歯牙にもかけていない筈だ。彼女の目的はたったひとつ、そうあの黒い靄を吸収すること。そのために利用したのだ。

 

 妹は少しだけどーやりきれない思いをかかえて寝床から起き上がった。だがKちゃんの性格はどうであれ、結果的には女子学生の魂を操り、あわれな犠牲者たちを飛び〇りにおいこんでいた邪悪な靄は消え去った。Kちゃんは興味ないだろうが、かわいそうな女子学生の魂は彼女が待ち焦がれていた婚約者の人形とともに救われたのだ。

 

 小学校につくと、妹はその日の予定を確認して、児童たちを迎えるために他の先生と一緒に、げた箱が並んでいる昇降口(出入口)に立った。Kちゃんと会うのは少し憂鬱だったけど、確認しておかなければならない事があった。それは、最近保険の先生が話していたことー「Kちゃんの女性としての成長があまりにも早い」

 

 「ホルモンバランスがくずれているかもしれない」ということで、保険の先生から担任を通し「小児医療センター」で受診するように母親に伝えたとのこと。しかし、母親は忙しさにかまけてそれを無視しているらしい。―が、妹はその理由が別にあると考えていた。あの黒い靄を吸収したからだ。夏休み明けがそうであったかのようにー

 

 今朝、彼女の容姿をみれば(急な変化が)わかるだろうと・・・。

 

 それからもうひとつ・・・それはあまり重要じゃなかったけど訊ねる機会は結構早くやってきた。あのお祓いがあってから二日後、マンションのエントランスでJちゃんに出会ったのだ。「Rちゃん(妹の娘)のママ、こんにちは!」元気よく挨拶をするJちゃんに挨拶を返しー「ねえ、Jちゃん。あの日Kちゃんはどうして、Jちゃんちにきたのかな?なにかお約束があったの」とー

 

 妹は何気ない風を装って気になっていることをたずねた。Jちゃんは妹の意図を察するはずもなく「あっ、あの日。うん、あの日はKちゃんがどうしてもゲームがしたいといって、おばちゃんにつれてきてもらったの」と。「げ、ゲーム?」。「うん、私が新しいゲームを買ってもらったので、Kちゃんどうしてもそれがやりたいって、あの日急にくることになったの」。

 

 「ふたりはあの日、自治会のみんながなんで通路に集まっていたのか知っていたの」。「ううん、全然しらないよ」。「・・・」。「お部屋でゲームしてたら、急に前がざわざわして、何か見に行ってみようってーそれでお外に出たの」。「・・・」。「そしたら、Rちゃんのママが上がってきて・・・それをKちゃんが見つけて・・・」

 

 「そうね。―で、そのあとふたりとも、通路で私たちといっしょにいたでしょう?」。「えっ?そんなことなかったよ。Rちゃんのママに会った後、すぐにお部屋に戻って二人でゲームしてたもん」。「???(そ、そんな・・・)、でも・・・終わった後、おばちゃん(妹)、通路にいたKちゃんと話したんだけど―」

 

 「・・・ああ、あの時ゲームしてたら、Kちゃんが『・・そと終わったみたいだから、ちょっと先生(妹)とはなしてくる』って、出て行ったけど・・・。すぐに『先生にバイバイ言ってきた』ってもどってきたよ」。

 

 不思議な少女はこれでおわりです。 次は不思議な少女2です。はてさて、いつになることやら・・・

不思議な少女(8)

 みなさん、こんばんは。(7)からの続きですさらに気持がわるくなります。苦手な方は絶対にスルーしてくださいね。

 

 その夜、妹は不思議な夢をみた。夢だから、必ずしも妹目線からだけの画像ではない。第三者が動画を観るような―対象となる場面が、前後左右・上下から、またそれがアップやワイドになり映し出されーちょうど二か月前に見た夢と同じ構図だった。そして、今度は前日の夕方、「お祓い」の時に起こった出来事だったー

 

 父住職が僧衣の袖から遺髪をはった人形(ひとがた)取り出した刹那―、彼らがいる通路の真上、マンションの屋上に防空頭巾を被った女子学生がこつぜんと現れた。彼女はどことなく寂しそうな表情をして、遠くをながめていた。―が、父住職が人形を線路に向かって飛ばした瞬間、彼女もそれを追い求めるように飛び立った。

 

 彼女は体を水平にして、顔を前にむけ人形のあとをおいかけていた。彼女が飛び出すと同時に、屋上にいた数十羽の小鳥たちが彼女と一緒に人形に向かって一斉に飛び上がった。それを見たKちゃんは「住職先生のパパ、鳥たちが・・・」というや、妹の手をぎゅっと握った。そのとき、Kちゃんの思いが、妹に流れ込んできた。

 

 「どうか鳥さんたち、お姉さんとお兄さんを守ってあげて」とー。そして妹は見た、人形はいつしか軍服を着た兵隊さんの姿になっていたーその服装は決して上等なものではなかったけど、その顔は気高く立派に見えたー後から来る彼女にむけられた瞳は慈愛にみちあふれていたが、その表情には憂いが浮かんでいた。

 

 彼は遅れてくる彼女を待つために空中で静止していた。彼の周りにも鳥たちが集まっていた。彼女はその彼に向かって手を前にのばし、彼はその手をつかむために手を後ろへ差し伸べた。彼女は風に煽れたように体をひらひらさせた。そのため彼女の背中の部分が下の妹たちに向けられた。「一体なに?彼女の背中についているものは!」

 

 それは、「あの教室の隅で見た黒い靄と同じものなの」―だが、それよりもさらに禍々さとおぞましさとを全体に漂わせていた。その靄は彼女の背中から急速に広がり彼女の体をつつみこもうとした、それどころかさらに前方にのびて彼にもおそいかかろうとしている。 それを見たKちゃんはあの時同様「フフフ」と笑ったようだ。

 

 妹に、あの教室でも感じたKちゃんの嬉々とした感情がーそしてそれに混じって「鳥さん、たすけて」という彼女の祈念も伝わってきた。小鳥たちは一斉に黒い靄に向かって前後左右から攻撃をはじめた。どうやら、彼女や彼も靄から逃れるために気力を振り絞って抵抗している。Kちゃんは「住職先生のパパ」と鋭く叫んだ。

 

 父住職は「はっ」として、直ぐに経文を唱え始めた。黒い靄の動きがとまった。いまだ!―Kちゃんは首をあげて黒い靄をにらんだ。その途端―黒い靄はKちゃんに吸い取られるかのようにー、Kちゃんの体にむかってながれこんでいった。最後・・・やはり靄の一部が吸収からのがれようと激しく抵抗したが、今度は無駄だった。

 

 靄が消えてなくなると空中では、いつのまにか手に手を取り合ったふたりが感謝の表情で妹たちをみつめていた。二人の口が同時に「ありがとう」と動くのを妹はみた。―が、二人はそういうと静かに目をつむり下へと落ちていった。黒い靄に抵抗するためにその気力のすべてを使い果たし、飛ぶ力をなくしたようだった。

 

 「だめよ。鳥さんたち、もう一度助けて―」Kちゃんの強い思念が閃光ように妹の頭を貫いていった。数十羽の小鳥たちはひらひらと回りながらおちていく二人の下に回り込むと、二人を背にのせるようにして力強く羽ばたいた。「ガンバレ―」妹は手をこぶしにして叫んだ。落ちたらまた、あの黒い靄たちの餌食(操り人形)になるー?

 

 鳥たちによってどうにか浮力を取り戻した二人は、やがて眼を開けて水平な姿勢になり、ゆっくりゆっくり空へ舞い上がっていった。二人はもう一度振り返って妹たちがいる高層階の通路をみた。妹は二人にむかって手を振った。ふたりはにっこりと笑って妹に応えたようにみえた。「やっと会えてよかったね」やがて・・・

 

 鳥たちに見守られながら、二人は夕焼けがひろがりはじめた空を上へ上へと、どこまでも、どこまでもとびつづけていった。・・・と、そこで妹は目を覚ました。これが、昨日本当に起こったことなの?妹は今見た夢を可能な限り反芻してみた。どうやら、飛び〇り騒ぎはなくなるようだな・・・妹は漠然とそう考えて二度寝することにした。

                            つづきます。